中古一戸建て住宅診断(ホームインスペクション)の現場レポート

一級建築士による中古住宅の住宅診断(ホームインスペクション)の現場レポートです。

中古一戸建て住宅診断(ホームインスペクション)の現場レポート :兵庫県神戸市 Part7-2

スタッフの高原です。
中古一戸建て住宅診断(ホームインスペクション)の現場レポートの続編です。

それでは、玄関からお邪魔いたします。

玄関を入り、奥に進んで行くと突き当たりに崖が見えます。
先ほどの、物件付近に見えていた崖は、物件の裏にも続いているのでした。

モルタルで覆われている崖は、本来なら擁壁にした方がいいのですが、
何千万という費用がかかってしまいます。

崩れてくることはまずありませんが、苔や草が生えてくるとモルタルが弱ってくるので
水抜き穴をたくさん取っていました。

続いて、建具のチェックです。

建具のチェック

ガラス戸が斜めになっています。
(上はきっちりと閉まって、下に隙間あり)

基礎にひび割れもありました。
このひび割れは、特に問題になることは無いとの事です。

建物と擁壁の間には、木製の床があり、
グラグラとしていて危険でしたので、私は近づきませんでしたが、
田中さんは、その床の下もきちんと覗いて調査し、写真を撮っていました。

床下の調査


洗面所へと移動します。
寒いです。
お客様は、マンションから一戸建てへと移り変わられるようです。
マンションは、比較的暖かいので、一戸建ては余計に寒く感じるかもしれませんね。
一般的にマンションと一戸建ては機密性が異なりますので。

ちょうど人間の頭の高さに収納棚が吊り下げられていましたが、
ぶつかりそうで危険でした。

2階へ参ります。

洋室を、踏みしめながら歩いて回ります。

床のチェック

音を聞いたり、へこみ具合で不具合があれば分かるとの事。
熟年の経験があってこそ出来る判断ですね。
単純に計測器具に頼っているだけではいけません。

壁は、クロス等を貼っているわけではなく、珪藻土の直塗りでした。
珪藻土の直塗りはシックハウス対策にもなるとの事。
そういう意味でメリットもあるのですね。

ベランダに通じるガラス戸の上部には換気口があります。
手入れをしないと動きませんが・・・
今ではこの換気の設置が義務化されています。

次の洋室へと進みます。

こちらの壁も直塗りがなされていました。

ベランダには隙間があり、そこから雨水が入って躯体に影響が出るかもしれないとの事。
今すぐ問題があるわけではないが、中が腐り限界が来ると落下してしまうリスクがあります。

ベランダのチェック

ベランダの傾きについては、勾配が取られているので測れませんが、
補強はしておいた方がいいとの事でした。

通常、収納の中にある事が多い天井の点検口は、ありませんでした。
点検口はこれからの事も考え、後からでも設けた方がいいですね。

お部屋の上部には、梁が見えます。
オシャレでもありますし、天井が高く取れて圧迫感がなくなりますね。
また使い方によっては物置としても使えます。

梁をよく見ると、ボルトが少し緩んでいました。
ボルトはどうしても緩んでくるので、大工さんが入ったときなどにでも締めてもらいましょう。

和室では、雨漏り跡が見受けられました。

雨漏り

畳をめくり、下地の状態を見たり、水平器をあてて傾きのチェックをしたり致します。

畳下の調査

頂いた図面を広げ、確認しながら調査を進めていきます。

図面チェック

続いて屋根を確認致します。
屋根に上っての調査ではなく、地上やバルコニーなどから見える範囲での調査となります。

色瓦を使用されていました。

最近では、薄い板状のスレートと呼ばれる屋根がよく使用され、これは地震にも強いそうです。
瓦は、耐震性としては低いですが、断熱性が高いとの事。

それぞれに特長があるのですね。

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