内覧会立会い・同行(マンション)の現場レポート

一級建築士による内覧会立会い・同行(マンション)の現場レポートです。

内覧会立会い・同行の現場レポート :兵庫県西宮市 Part14-2

スタッフの利光(としみつ)です。兵庫県西宮市で行われた内覧会立会い・同行(マンション)の現場同行レポートの続きです(前の記事はこちら)。

玄関から調査を始めて、洋室、廊下、水周り、和室、リビングダイニングと調査を続けていきます。凹みや傷、汚れや巾木とクロスの隙間等が多く見つかりました。私もチェックに参加しながら、和室の天井にて、汚れか傷か分からない箇所があったので、角野さんへ伝え、マンションの担当者の方に確認いただきましたが、布巾で拭いてみるとすぐに取れる汚れでした。

和室では、畳を一枚はがして畳の裏と下地の確認も行います。きっちりと敷かれている畳をあげるのはちょっとひやひやしますね。

畳に傷をつけないように道具を使ってそっと外していきました。畳を外すと、下にはビニールシートが貼られていてその下にコンクリートが見えました。新築のマンションではコンクリートが乾くのに時間がかかるので、防湿用のシートで畳への湿気を防いでいるそうです。

お客様のお母様から、「こんな感じものが防湿シートなの?」との疑問を頂きましたが、丁寧に角野さんは答えておりました。一般的な仕様のようでしたが、それが標準的なものなのか、そうではないのかといった判断は難しいですよね。特に問題はございませんでした。

バスルームでは、天井の点検口を開けて中の確認も行います。こちらは手で上に押すと開くようになっていますが、自分の家のバスルームの天井の点検口を開けてみることはほとんどないですよね。私もいまだかつて点検口を開けたことがありません。

こちらから覗いて見える範囲で換気扇の接続などについて確認します。問題ございませんでした。

洗面所には、床下の点検口も設置されていました。マンションで、洗面所の床下の点検口はめずらしいそうですが、洗濯機や洗面所など、水漏れが多い箇所で何かあった際はこちらから確認すると分かるとのことでした。

小さな点検口ではありましたが、水周りの配管をすぐに確認できる配慮があるのはいいなぁと感心しておりました。

今回のマンションでは水道使用が不可だったため、流水しての検査は行えませんでした。ただ、業者で流水試験はされたとのことではございましたが、今回は配管部分の目視確認だけを行いました。こちらも特に問題はございませんでした。

キッチンでは、配管の設置状況の確認や、収納の扉の開閉、換気扇の動作確認を行いました。

バルコニーでは、物干しの金具を一度組んでみて、元に戻す作業をし、不具合が無いかを確認します。床に勾配が取られているかなど、仕上げ材のチェックをします。仕上げ材に傷がありましたが、他に大きな問題はございませんでした。

それぞれのお部屋をお客様も確認しながら進め、気付けば2時間以上が経過しておりました。やはり、45分程度では到底確認しきれないですね。

検査後にお客様で部屋の寸法を測られたところで、内覧会は終了となりました。

1階ロビーへ戻って、チェックした箇所の確認を行いました。マンションの売主側の担当者の方が記入したチェックシートを一緒に見ながら、一つずつ確認していきます。今回はチェックシート2枚に及ぶ指摘箇所がありました。

お客様はその後も担当の方とのお話があったようで、私たちはこちらで失礼させていただきました。

今回は、傷や汚れ、不具合等の補修が必要な箇所多くがございましたが、大きな問題となる箇所はございませんでした。補修がされて、住みやすい住居となることを祈りながら、マンションを後にしました。

マンションの場合、戸建の住宅と違って構造上の確認をほとんどできないため、見られる箇所は限られます。傷や汚れについて以外にも、巾木とクロスとの隙間、クロスの膨れやよれなど自分で確認できる箇所も多くございますが、補修すべきことなのかどうか分からず不安ですよね。

業者によっては、「そんなものですよ、許容範囲内です」と言われてしまうこともあります。

今回のマンションの担当者の方は一つずつ丁寧に不具合箇所に付箋を貼って、チェックシートに記載いただきながら、一緒に確認もされており、また内容が不明な際には、他の方が説明に来られるなどと協力的でした。ともあれ、初めての経験で不安な際には、一級建築士がいると心強いなぁと感じました。また丁寧な確認方法に、納得する一日でした。

今回ご協力をいただきましたお客様、ありがとうございました。また、検査をお考えの方の参考になると幸いです。

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