新築一戸建て住宅診断(建売の診断)の現場レポート

大阪府大阪市での新築一戸建て住宅診断(建売の診断)の現場レポートです。

一戸建ての通信簿の現場レポート : 大阪府大阪市 Part4-2

アネストのスタッフの徳永です。新築一戸建て住宅診断(建物診断)の現場レポートの続編です。

まずは玄関から。

ドアの開閉を何度か行い、遅すぎず早すぎず問題ない速度で出来ているか、施錠した状態に問題は無いかなど、細々と確認していきます。
ドアのチェックが終わると、シューズボックスのチェックです。
ボックス内の各棚に体重を掛けてみたり、棚の間隔、棚板受けのダボにも問題無いかなどもチェックします。

玄関を上がってすぐの廊下で脚立にのぼり、天井部分についても確認します。

「ここは三方きっちり天井までコーキングしてあって、良いですね!」

南郷さんが業者さんへ伝えると、業者さんが少し嬉しそうに、

「几帳面な現場監督だったんです」

と仰っていました。

「現場監督によっては、色々現場を抱えてて仲々来なかったりしますけどねぇ」

「その現場監督はきちんと来て、ちゃんと検査もしてましたね」

本来はそうあるべきなのですが、実際は現場監督や現場の監理者が現場に来ないといったことも多々あるわけです。
どうやら、この現場の監督さんはきちんと対応していた様です。

これは本来なら当然のことで、本当は監理者がキチンと工事監理しないとダメですが。

さて、1階の各お部屋に入る前に、トイレについてのチェックを行いました。
水道の使用が可能なので、実際に水を流して流れや水漏れなどが無いか確認します。
その他、扉やロック、窓についての動作確認も含め、特に問題はありませんでした。

「ではお部屋のチェックに入ります」

南郷さんが宣言してまず玄関すぐの洋室に入ると、早速フローリング床をドンドンと踏みしめながら歩き回ります。
こうして踏みしめ歩きをすることで、床鳴りのチェックをします。
そしてその後には水平器を使って、床や壁の各箇所の傾きがないかを計測していきます。

「建物というのは人間が作ったものですから、絶対に傾きが無いというのは考えられないんです。ですから、傾きがあっても許容範囲というものがあるわけです。我々はその判断を行います」

許容範囲の判断というのは、一般のお客様には本当に難しいです。
そしてそれが指摘事項にあたるのか、また、直してもらえるものなのかという判断についても、仲々判断し辛いものですよね。
この辺りはやはりプロの経験と知識が頼りです。

南郷さんは水平器の見方と共にお客様に説明します。

「この部屋の床には多少この様に傾きがありますが、これは許容範囲内のものです」

こうして現場でお客様に水平器を見て頂きながら説明すると、お客様も納得されます。

その後は部屋のドアの動作や戸当たりの確認、サッシやシャッター、網戸を実際に何度も動かしてみて動作確認をしていきます。

そして、窓際の壁に24時間換気の給気口が設置されていましたので、南郷さんがお客様へ尋ねます。

「24時間換気ってご存知ですか?」

「言葉だけは知っていますけど・・・」

そう仰るお客様に、南郷さんからこの24時間換気の必要性などについての説明がありました。

法改正により建材から指針値を超える化学物質が検出されることはほぼなくなったこと、それでも家具などから微量に発生する可能性があり、その為にこの24時間換気の必要があること、換気扇などと連動して作動させる必要があることや、結露対策にも有効であることなどなど。

南郷さんの説明にお客様が理解を示されたのを確認し、次のお部屋へ。

先ほどのお部屋も、こちらのお部屋も特に大きな問題は無かったです。

こちらのお部屋には2階に設置してある浴室やキッチンの関係で、天井に点検口がありました。

「水漏れした時なんかの確認用ですね」

と、南郷さんが点検口を覗いて仰っていました。

「木造住宅ですが、珍しく天井下地がLGSですね」

「LGSってなんですか??」

と尋ねる私。
普通はビルなんかで使われていることが多い、鋼製下地のことだそうです。
キッチンや浴室の真下のお部屋なので、その関係かもしれません。

さて、1階には和室がありますので、最後にそのお部屋のチェックです。

「ちょっときつめに敷かれていますが、畳を上げてみましょう」

頑なにきつく敷かれている畳の場合は傷つけてはいけないので無理に上げませんが、今回は大丈夫だったので畳を上げて下地の状態などをチェックします。

「普通、畳といえば藁床をお考えでしょうが、最近はこうしてほとんどが発泡スチロールの畳の場合があります。必然的に、藁床のものよりはダニは発生しにくいです」

お客様も畳を持ち上げて、「確かに軽いですね」と仰っていました。

「あと、下地もいま現在カビたりしていませんし、防湿シートも敷かれているようですので、湿気対策も恐らく問題無いと考えます」

畳を直し、障子窓などについてチェックしていきます。

「障子のこの、木部に見える枠部分ですが、中はアルミですね。アルミに木目シートを貼って作っています。木材を使うとどうしても性質で反りなんかが出てくるんですが、アルミだと狂いが無くて、そういった意味では良いんじゃないでしょうか」

南郷さんの説明に、お客様が笑って、

「情緒的には微妙な感じですね」

と仰っておられましたが(笑)。

ここで1階の調査は終了し、階段のチェックをしながら2階へ向かいました。

階段のチェックでも踏みしめ昇降をして、鳴りを確認する南郷さん。
その後、丁寧に各箇所を検査していきます。

「側桁(がわけた)に隙間有り!」

チェックシートを記入する私に、南郷さんが指摘事項を伝えます。

「がわけたってなんですか?」

「ここのことです」

と、階段の両側に取り付けられている厚手の板を指して、南郷さん。
そして南郷さんの指先には、その側桁の取り合い部に隙間がありました。

階段といっても色んな部位で構成されていて、細かに名前が付けられているわけで・・・。
この側桁は、階段板などを支える役割があるそうです。
またひとつ勉強になりました・・・!
(※ちなみにお客様へは部位の説明が難しいので、写真におさめて報告書に記載しています)

+++次回へ続きます+++

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